トランプショックが「PR」にも与える歴史上最大レベルの影響

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今日は、ちょっとニュース性を取り入れて、

アメリカ大統領戦のトランプショックが、

PR業界にも歴史上最大レベルの影響を与えることになるかもしれませんって話。

 

それが何か?って言うと、

「本音」「たてまえ」の逆転という現象です。

数百万人、数千万人レベルのたくさんの人の心に刺さる「打ち出し」を狙うPRでは、

まずは「本音」と「たてまえ」のどちらを打ち出すのかを決めることが大切なわけですが、

これまでの定石では、

 

 

大手企業なら「たてまえ」を打ち出し、

小さい企業なら「本音」を打ち出すという戦略。

 

そもそも、

まずこの「本音」と「たてまえ」の感覚がイマイチつかめないという人のために、

身近な例でお話をしておくと、

例えば、一般的にFacebookで見られるような内容が「たてまえ」で、

Yahooニュース記事の下とかに出てるコメントが「本音」といった感じですかね。

 

Facebookとかを見ていると、

みんなとても明るく前向きで、

奥さん旦那さん想いで、親孝行で、友達や仕事仲間を大切にしていて、

やりがいを持って仕事をしていて、

どんな食べ物も美味しそうに食べて、

空に広がる雲を見ただけで”幸せ”が感じられるような、

世の中すばらしい人たちばっかりだなぁ〜と感じますが、

一方、Yahooコメントなどでアップされているコメントなんかを見てみると、

それとはうって変わって、批判的な、

ああ言えばこういう状態の「何から目線ですか?」というマイナスコメントがあふれているわけです。

 

インターネットという共通の土俵でアップされる言葉なのに、

こんなにも違うなんて不思議ですよね?

 

もちろんすべてがそういうことではないのですが、

これが身近な「本音」と「たてまえ」の一例。

 

全員が「たてまえ」通りに生きていれば、

3組に1組の夫婦が離婚をすることなんてなさそうですし、

イジメもDVもクレームもブラック企業もないはずです。

 

つまり、

口で言ってることと本当に思ってることは違うわけで、

人間そんなに単純じゃないっていう、

当たり前のことがわかっていないとPRで成果を出すことが難しく、

ヒットを生み出す商品やサービスはそこをうまく使い分けているわけです。

 

 

話を戻すと、

よりたくさんのモノを広範囲で販売したい、たくさんのシェアを狙たい大手の場合は、

より多くの人から共感を得られるようなコンセプト=「たてまえ」。

 

逆に、

大手の隙間を狙って特定の一部から強力な支持を狙っていきたい小さな企業の場合は、

一部の人の中に眠る「本音」を掘り起こしていくことがPRで勝つための根本的な「常識」だったわけです。

 

なので、

大手企業の打ち出すキャッチコピーは、

 

「すべては、お客様の「うまい!」のために」

「暮らし感じる、変えていく」

「そうだ、京都に行こう」

などなど、

 

どちらかと言うとフワッとした当たり障りのない言葉にまとまりがちで、

テレビCMでも、

スマップ(騒動前の)や嵐、綾瀬はるか、ベッキー(騒動前のw)など、

いわゆる好感度が高く誰からも人気があって、

「誰からも嫌われていない」芸能人などが使われることが多くなるわけです。

 

一方、

本音を打ち出していくPRは、

テレビCMの世界で言えば、

芸人の有吉さんや、マツコデラックスさんなど。

いわゆる毒舌系と言われるタレントたち。

 

発言は常に賛否両論あるので、

好感度で常に上位に来るようなキャラではないかもしれないけど、

一部の人の心はガッチリとつかんで確実に強力なファンを持っている人を起用する。

 

というのがこれまでの常識だったのですが、

これがトランプショックによって真逆になる可能性が出てきました。

 

それが、

「本音」が「たてまえ」を逆転してしまう、という現象です。

 

つまり、より多くの大衆を狙う場合、

「たてまえ」ではなく、

「本音」を打ち出したほうが効果が大きくなる!ということです。

 

実はこれは、

ここ数年、日本でも少しずつ起こっていました。

 

テレビの話で言えば、

「本音キャラ」の人気がごく一部ではなく大衆化してきていて、

CMを見ても、

有吉さんやマツコデラックスさんがバンバン出ています。

 

実際、先日発表された今年のテレビCM出演数ランキングで堂々の1位になったのが、

マツコデラックスさんでした。

 

理由は、

好感度タイプのタレントの場合、叩かれたときの弱さのリスクなどもあったりするのですが、

「たてまえ」よりも「本音」のほうが、

より多くの人に受け入れられやすくなった!ということを表していると言えるでしょう。

 

そして、

この現象を確定的なものにしたのが、

ドナルドトランプ。

 

アメリカ大統領選という、

もっとも広い支持が必要な場で、

国民に眠る「本音」に訴え続けました。

 

「まぁそれなりに話題にはなったけど、さすがに当選はしないよな」

 

というのがこれまでの多くの人が感じていた常識だったわけですが、

その予想を見事に覆したわけです。

 

これにより、

表面的にはわかりませんが、

心の奥では「あ、本音でいってOKなんだな」

という流れに少なからずなっていくはずなので、

「それを言ってほしかった!」と感じてもらえるような打ち出しがPRの成功のポイントになってくるでしょう。

 

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